約物専用Webフォント(約組フォント)
概要
約物専用のWebフォントの約組フォント/Yaku Kumi Fontsを公開しました。全角の約物(句読点や括弧のこと。)が連続したときのアキを調整するWebフォントです。notofonts/noto-cjkのgoogle-fontsにあるNotoSansJP[wght].ttfおよびNotoSerifJP[wght].ttfをサブセット化して作成しているので、シェア率が非常に高いNoto Sans JPとの組み合わせが良いです。
CDNで公開しているので利用方法を参考にして、自分のブログで使ってみてください。ちなみに、このブログでも使っていました。今は、Catalpaでも使われてる方法で、無理やりアキを調整しています。
はじめに
Webページを作るとき、下の表みたいに、括弧や句読点などの約物が連続したときのアキ(空白)が気になりませんか?Yaku Kumi Fontsを使えばこの問題が解決できます。
| Family | |
|---|---|
| Noto Sans JP | |
| Yaku Kumi Sans, Noto Sans JP |
このようなフォントはFONTPLUSにもありますが、有料なのでブログなどで手軽に使うのは難しいです。約味フォントは無料で公開されていますが、オリジナルグリフであるため、Noto Sans JPとの相性がいまいちです1。
Yaku Kumi Fontsはもちろん無料で使えて、見ての通りNoto CJK Fontsと同じグリフになっています。Noto Sans JPを利用している人にはすごくオススメできます。
Noto CJK Fontsと同じグリフで、約物のアキを詰めるYaku Han JPはすべてのアキが無くなるので、組版要件を考えるといまいちです。それに約物を半角にするだけなら
font-feature-settings: 'halt' 1;
すればいいです。
ということで、Yaku Kumi Fontsを使いましょう!
対応文字
収録フォントは以下の通りです:
、,。.・:;()⦅⦆「」『』[]〚〛{}【】〖〗〈〉《》〔〕〘〙
対応しているウェイトは次のとおりです:
| フォント | 対応ウェイト |
|---|---|
| Sans | 100, 200, 300, 400, 500, 600, 700, 800, 900 |
| Serif | 200, 300, 400, 500, 600, 700, 800, 900 |
利用方法
利用したいフォントとウェイトの組み合わせに応じて、読み込むCSSを選択してください。フォントファミリー名はYaku Kumi SansとYaku Kumi Serifです。
たとえば、Yaku Kumi Sans の Regular (400) と Bold (700) を読み込む場合:
<link
rel="stylesheet"
href="https://cdn.jsdelivr.net/gh/daiji256/yaku-kumi-fonts@2.0.0/css/yakukumi-sans-rb.min.css"
/>
CSSはfont-familyを設定し、chwsをオンにしてください。フォント名はSansを使うならYaku Kumi Sans、Serifを使うならYaku Kumi Serifとします。
font-family: 'Yaku Kumi Sans', 'Noto Sans JP', sans-serif;
font-feature-settings: 'chws' 1;
注意事項
- このフォントは約物(句読点や括弧類など)のみを収録しています。本文用の日本語フォントは別途指定してください。
- OpenType機能
chwsを有効にして使用します。対応状況はブラウザやレンダリング環境に依存します。
ライセンス
- フォント: SIL Open Font License 1.1
- スクリプトなどのフォント以外: MIT License
文献
- 約組フォント/Yaku Kumi Fonts
- Noto Sans JP
- Noto CJK full weight patch for Android devices
- FONTPLUS
- 約物Webフォント「約味」(YakuAdj)
- Yaku Han JP
- Catalpa
- 約組フォント/Yaku Kumi Fonts-約物専用Webフォント
脚注
-
とくに僕はカンマが好みでは無かったです。 ↩